公務員試験における小論文試験は筆記試験や面接試験と比較して対策が後手にまわりがちな傾向がありますが、自治体によっては配点が高いことも少なくない重要試験です。
ここでは、わかりずらいと言われる小論文対策について解説します。
公務員試験における小論文試験の形式と内容
小論文試験は、出題されたテーマに関する自分自身の考えを、60分から90分の時間で、800字から1500字程度まとめて書くという内容です。
テーマとしては、時事に関するものが多い他、「自治体の役割とは何か」や、「目指している職員像」などのやや抽象的なテーマが出題されることもあります。
公務員試験で頻出のテーマの例
- 少子高齢化・人口減少
- ワークライフバランス・働き方改革
- 女性の活躍
- 防災(地震・台風対策)
- 訪日観光客誘致・観光振興
- 地球温暖化対策
- 地方活性化・地方創生
- 農林水産業振興
- 格差・貧困問題
- 循環型社会
- 個人情報保護・情報管理
- 危機管理・コンプライアンス
なお、これらのテーマについて全く知識がない状態だと、小論文の書きようがないため、文章を書く練習以外にも、時事に関する最低限の知識のインプットは必要となります。
小論文試験の対策法
日頃、あまり長文を書くことが無い方も多いと思いますので、思った以上にトレーニングが必要なのが小論文です。
また、一夜漬けではどうにもならない面があるので筆記試験の勉強と並行して早めに対策をスタートすることも重要です。
小論文試験に求められるのは「論理的」な文章
そもそも小論文とは、問われたテーマや課題に対して、自分の意見を理由や論拠を示しながら論述していくものです。
したがって、基本的には「〇〇(テーマ)については、△△だと考える。なぜならば××だからだ。」というような構成となります。
もし、いわゆる作文や感想文であれば、「〇〇(テーマ)については、△△と思います。△△と感じました。△△していきたいです。」自分の気持ちや感じたことなどをそのまま述べて構わないのですが、「論文」というからには、自分の「意見」と「その理由や根拠」を「論理的」に書く必要があるというわけです。
読む人に「論理的」と感じられる文章には、
- 最低限、文法や語彙の間違いがない
- 抽象論ではなく具体論で書かれている
- 段落分けなどの文章構成がしっかりしている
といった特徴があり、結果として初めてその文章を読む人でも一読しただけで内容が理解できる文章になります。
まずはうまい文章を読むことから
とはいえいきなりそのような論理的な文章を書くことは簡単ではないので、まずは参考となるような文章を沢山読むことから始めましょう。
おすすめは、新聞の社説、論説などです。
新聞の社説は各新聞社の文章の達人が担当しており、論理的かつ時事問題にも触れているため筆記試験や集団討論などの対策にも役立ちます。
小論文の型を意識しながら文章を書く練習をする
実際の小論文のトレーニングでは、出題が予想されるテーマについて自分なりの答案を作成していきます。
この際に意識すべきが、「小論文の型」です。
基本的な型としては以下のような3段構成を取ると書きやすいと思います。
- 序論
→出題テーマについての背景や課題と、自分の意見の概略と方向性を述べる - 本論
→自分の意見(課題の解決策・方策や将来的に考え得る影響)を、論拠を示しながら具体的に述べる。 - 結論
→自分の意見を簡潔に振り返りまとめる
その他のコツとしては、
- 一文を短くする
- 文末表現を揃える(公務員試験では、〇〇である、〇〇だ、がおすすめ。)
- 指定された文字数の9割以上は埋める(文字数が少ないと採点の対象とならない足切りラインがある場合もあり。)
といったことが挙げられます。
できれば添削を受けよう
小論文については択一の筆記試験とは違い絶対的な正解があるわけではありません。
できれば予備校や通信講座などで自分の書いた文章の添削を受け改善することが望ましい方法といえるでしょう。