公務員試験の面接対策のひとつに「自治体研究」があります。
自治体研究は、民間企業の就職活動における「企業研究」のような位置づけになりますが、自治体には一般企業にあるような採用専門のホームページなどは無く、やり方に戸惑う方も少なくありません。
そこで、ここでは効果的な自治体研究の方法やポイントを解説していきます。
公務員試験の自治体研究の目的
公務員試験の自治体研究の目的は、あくまでも面接対策です。
よって、面接官が求める人材像を理解した上で自治体研究を行う必要があります。
公務員試験によらず、就職試験において求められる人材とは、端的にいってその企業・自治体・官庁などをより良くしてくれる能力を持った人材です。
その能力は、行動力・発想力・事務処理能力などさまざまありますが、それらの基盤となる重要な能力に「現状分析力」があります。
自治体や地域をより良く発展させるための最初のステップは「現状分析」です。
今何が問題となっているのかを正しく分析できて、初めて効果的な対策を立案・実行することができます。
よって、公務員試験においても「現状分析力」があるかを面接官は見極めたいと考えています。
公務員試験の面接で現状分析能力が問われる質問
公務員試験の面接において定番の質問として以下のようなものがあります。
- この自治体の政策や活動で気になることは?
- この自治体に不足していることは?
- この自治体の魅力は?
- この自治体の問題点は?
- この自治体を活性化させるためにはの方策は?
- この自治体をPRしてみて下さい。
そして、これらの質問は全て自治体をどのように現状分析しているかを問うものです。
よって、これらの面接での質問に適切に応えられるように、自治体のことを調べたうえで、自分なりの現状分析をまとめることが、公務員試験における自治体研究の目的となるのです。
公務員試験の自治体研究のポイント
ここまで見てきた面接官の質問意図から考えて、自治体研究でまず調べる点としては
- 自治体の特徴・特色
- 自治体が力を入れている政策・活動
- 自治体の長所・短所
- 近隣や同規模の自治体との比較
といったことになります。
そして、それらの現状に対し自分のなりの分析を行い、対策や提案を考えておくことまでがやるべきことです。
なお、現状分析の着眼的やそれにたいする対策・提案などにひとつの答えはありません。
あくまでも自分の考えで現状を判断し、考えを述べることが大切です。
研究する分野は絞る
とはいえ、その自治体についての産業・雇用・社会保障など全ての分野について調べ、分析することは時間的にも労力的にも不可能です。
各分野における基本的な情報の概要は頭に入れておいた方がいいですが、深く分析するのは、自分の興味がある分野や、面接で質問されやすい分野に絞って構わないでしょう。
公務員試験の自治体研究の方法
自治体研究における情報収集のツールとしては、以下のようなものが挙げられます。
自治体のホームページ
自治体研究で最初に思いつくのは、ホームページでしょう。
実際、ホームページではその自治体の政策から財政事情・各部署の仕事内容などあらゆる情報が入手できます。
ただし、その反面、情報量が多いゆえに自分必要な情報が見極めておかないとうまく利用できないこともあります。
よって広報誌などの他のツールで概要を掴み、必要な点についてホームページで深堀りするといった使い方がおすすめです。
広報誌・広報番組
ほとんどの自治体では、広報誌を発行しています。
その自治体の重要政策・実行計画や自治体のイベント情報などを、住民に分かりやすく伝えるためのものなので、自治体研究の入り口としてとても有用です。
広報誌は自治体の役所や図書館で入手出来る他、ホームページ上でも閲覧可能な場合が多いです。
また、自治体によっては独自の広報番組も放送していることもあり、広報誌と同様の役割を持つことから利用価値があります。
メールマガジンやTwitter・FacebookなどのSNS
近年では自治体の情報発信のツールとしてメールマガジンやSNSが活用されることも多くなっています。
また、自治体の長自身がブログやTwitterで情報発信している場合もあります。
手軽にタイムリーな旬の情報が収集できるので、チェックしておきましょう。
現地訪問
自治体の庁舎を実際に訪問することで、何が気づくことがあるかもしれません。
また、面接で話題になることも多い、自治体が運営する観光施設、自治体が主催する大きなイベントなどにはぜひ足を運んでおきたいところです。
インターン
インターンが直接合否に結びつくというわけではありませんが、余裕があればインターンもおすすめです。
実際に公務員と一緒に働くことで分かることもきっとあるはずです。
公務員から話を聞く
もしつてがあれば、実際に公務員から話を聞くことができれば一般的に公開されているものとは違った貴重な情報を得ることができるでしょう。
できれば、現役の公務員の話が一番ありがたいですが、最近退職した方や民間に転職した方も独自の視点からの話が聞けて参考になるものです。
まとめ
ここまで見てきたように、公務員試験における自治体研究は、いわば面接において現状分析力を示すための準備と言えます。
そして、効果的な自治体研究を行うためには、さまざまなツールを活用し情報収集した上で、面接を想定しながらそれに対する自分なりの考えをまとめることが求められます。
実際に始めてみると思いの他時間がかかるのが自治体研究です。
情報収集自体は、隙間時間でもできることが結構ありますから、志望自治体が決まったらできるだけ早めに手を付けておきたいところですね!